サンシャインNEXT山内店

2017年12月から半年間の沖縄パチンコ市場の動向

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更新日:2018年5月11日

「沖縄パチンコラボ」の更新を滞らせてしまっている。本年初の投稿となる本稿では、2017年の年末商戦から2018年のゴールデンウィーク商戦にかけての半年間にあった沖縄パチンコ市場の動向についてまとめる。この間に大きな動きとして、①『サンシャイン山内店』の『サンシャインNEXT山内店』への屋号変更、②『サンシャイン開南店』の『サンシャインNEXT開南』への屋号変更、③『ノースイーグル』の閉店と『サウスイーグル』の『トリプル-E』への屋号変更という3つの出来事があった。時系列に沿ってこれらの動きを振り返っていく。

『サンシャインNEXT』1号店の誕生

サンシャインNEXT山内店

まず、2017年12月1日、沖縄市山内の『サンシャイン山内店』が改装を終え、新たに『サンシャインNEXT山内店』としてグランドオープンした。オータグループ系列、ジャンボ・サンシャイングループによる『サンシャインNEXT』ブランドの1号店である。『サンシャインNEXT』は、ジャンボ・サンシャイングループとしては『ジャンボ』、『サンシャイン』につづく3ブランド目、沖縄のオータグループとしては『ジャンボ』、『サンシャイン』、『J・PARK』につづく4ブランド目となる。新店『サンシャインNEXT山内店』では、その建物の構造は改装前と同じだが、外装と内装が黒と金、あるいはシックな大理石風を基調とした高級感のあるものへと一新されている。改装前の設置台数は、2017年2月25日の調査時点で、パチンコが4円144台、1円36台の計180台、パチスロが20円30パイ165台、20円25パイ15台の計180台、総台数360台となっていたが、改装後には、パチンコが4円102台、1円34台の計136台、パチスロが20円30パイ179台、20円25パイ30台の計209台、総台数345台に変更された。改装前と改装後を比較すると、パチンコが44台減台され、パチスロが29台増台された。店舗全体では15台の減台となっており、その分、台間の配置レイアウトがゆったりとしたものに変更されている。


では、ジャンボ・サンシャイングループがこの『サンシャインNEXT』ブランドを立ち上げた狙いは何か。まずはこの1号店『サンシャインNEXT山内店』の事例から考察する。一般的なリニューアルの狙いは当然ながら「集客力の強化」である。ジャンボ・サンシャイングループ初の『サンシャインNEXT』ブランドとなった『サンシャインNEXT山内店』は注目され、少なくともオープン直後には本島全域からファンが足を延ばす。新規顧客の期待に応えることができれば、新店舗の集客商圏は一気に拡大するだろう。では『サンシャインNEXT山内店』に特有な理由は何か。


沖縄市にあるパチンコホール7店舗のうち5店舗までがジャンボ・サンシャイングループの系列店であり、しかも5店舗すべてが『サンシャイン』ブランドであった。ジャンボ・サンシャイングループでは、設置台数の多い大型店舗を『ジャンボ』ブランド、200台から300台規模の小~中型店舗を『サンシャイン』ブランドとしているのだが、沖縄市内の『サンシャイン』5店舗も、設置台数400台未満の小~中型店舗である。ジャンボ・サンシャイングループの店舗が県内最高の密度で集積する沖縄市のパチンコ市場であったが、新ブランドによるテコ入れが求められる状況にあったと言えるのだろう。その理由としては、沖縄市の中心市街地であるコザの商業地区としての集客力の低下もあるだろうが、競合店『アムズガーデン泡瀬店』への対抗策を打ち出すことが求められていたことが主因であると言っていい。沖縄のパチンコ市場では、他の全国のパチンコ市場と同様に、ライトユーザーの減少・消滅が進行し、顧客に占めるヘビーユーザー・コアユーザーの比率が高まっている。ヘビーユーザーは、地元の高齢者と、旧イベント日など期待値の高いホールの特定の機種を調べて遠征することをいとわないパチプロ的な立ち回りを志向する客層の2つのグループに分かれる。『アムズガーデン泡瀬店』は、20円30パイコーナーに「沖ドキ!‐30」を71台、「トリプルクラウン」シリーズを84台設置し、最近では4円パチンコに「CRF戦姫絶唱シンフォギア」を15台揃えるなど、パチプロ的なヘビーユーザーに歓迎される機種構成を実現させている。ジャンボ・サンシャイングループは、沖縄市内の5店舗のうち最多の設置台数を擁していた『サンシャイン山内店』を新たな『サンシャインNEXT』として特別な「旗艦店舗」と位置づけて、『アムズガーデン泡瀬店』に対抗しようとしたと考えられる。その一方で市内に残す『サンシャイン』ブランドの4店舗は、高齢者を中心とした地元の常連・固定客をフォローし地域密着型営業を志向することを明確に打ち出すのである。


『サンシャインNEXT山内店』と『アムズガーデン泡瀬店』の競合関係と沖縄市コザを中心とした本島中部の顧客の動きが、2018年の沖縄県内においてもっとも注目すべきパチンコ市場の動態となるだろう。

2号店『サンシャインNEXT開南』のオープン

サンシャインNEXT開南

ジャンボ・サンシャイングループによる『サンシャインNEXT』ブランドの2号店『サンシャインNEXT開南』が那覇市内にオープンしたのは、2018年3月10日である。『サンシャインNEXT山内店』オープンからわずか3カ月後のことであった。『サンシャイン開南店』からのリニューアルであり、ブランド変更である。開南は、旧・農連市場に隣接し、中心市街地にあるアーケード商店街への南側の出入口となっている。


2号店『サンシャインNEXT開南』と1号店『サンシャインNEXT山内店』との差異を3点、指摘することができる。1点目は、グループ内における当該店舗の役割についてである。『山内店』の場合、沖縄市内に5店舗ある『サンシャイン』の旗艦店舗としての役割を担い、競合店である『アムズガーデン泡瀬店』と直接対峙するという役割を期待されていた。だが『開南』の場合には、系列店舗間における旗艦店舗と位置づけるには無理がある。というのも、那覇市内でもっとも近くで営業する系列店は、新都心・おもろまちの『ジャンボおもろ店』となり、立地環境でも設置台数規模でもグループ内における「旗艦店舗」という位置づけは『サンシャインNEXT開南』よりも『ジャンボおもろ店』の方がふさわしい。『サンシャイン』ブランドに限ると、系列店舗は上間の『サンシャイン一日橋店』か、あるいは豊見城市の『サンシャイン豊見城店』にまで離れなければ見当たらず、到底『サンシャインNEXT開南』と同一商圏とみなすことはできないほど距離が離れている。市街中心部にある『サンシャインNEXT開南』は、沖縄では珍しく、自動車圏よりもむしろ極めて狭い範囲となる徒歩圏をメインとした商圏構成を持っている。以上の要因を勘案すると、『サンシャインNEXT』ブランドは「旗艦店舗」を指示しているというブランディング戦略は、2店舗目にして早くも否定されてしまうのである。


2号店『サンシャインNEXT開南』と1号店『サンシャインNEXT山内店』との差異の2点目は、1点目の「旗艦店舗」化の意向の有無と連動するのだが、直接の競合店を明確に想定しうるかどうかという差異である。『サンシャインNEXT山内店』には『アムズガーデン泡瀬店』という明確な競合店があった。一方『サンシャインNEXT開南』は、那覇の国際通りに近い中心市街地において唯一残ったパチンコホールとなっており、徒歩圏が主な商圏となっている。敢えて競合店舗を挙げるならば栄町・安里駅方面の『ピータイム壺屋』と『夢屋三原店』となるのだろうが、開南からは1キロほど距離がある。すなわち、『サンシャインNEXT開南』が競合店に対抗するため新たなブランドにリニューアルされたとする説明には無理が生じるのである。


差異の3点目は、リニューアル時に行われた遊技機の構成の変更についてである。すでに見たように、『サンシャインNEXT山内店』ではリニューアル時、遊技料金や種別ごとの遊技機台数の変更は、ゆったりとしたレイアウトを実現させるために必要な最小限のものにとどまっていた。一方、リニューアル前の『サンシャイン開南店』の構成は、4円パチンコ72台、1円パチンコ72台、0.5円パチンコ54台、20円30パイ機150台、5円25パイ機30台、2円30パイ機30台、2円25パイ機30台となっていた(2017年3月4日現在)のに対して、リニューアル後の『サンシャインNEXT開南』は、4円パチンコ54台、1円パチンコ102台、20円30パイ機168台、20円25パイ機28台、2円25パイ機26台に変更されており、低貸玉の設置比率がリニューアル前の57.1%からリニューアル後には33.9%に低下している。リニューアルの目的のひとつが、通常貸玉の設置比率の上昇、すなわち低貸玉の設置比率の減少にあったのは明らかだろう。


わずか3カ月の間隔で実施された『サンシャインNEXT山内店』と『サンシャインNEXT開南』の2店舗の『サンシャインNEXT』ブランドへのリニューアルは、そのコンセプトが少なくとも上述の3つの点で異なっている。そのため、『サンシャインNEXT』のブランド・コンセプトが曖昧になってしまっているという印象を受ける。

豊見城『イーグル』の『トリプル-E』への屋号変更

トリプル-E

2018年のゴールデンウィーク初日となった4月28日、豊見城市豊崎の『EEE トリプル-E 豊崎店』がグランドオープンした。同店は、北海道の正栄プロジェクトによる沖縄初進出店舗のひとつとなった『サウスイーグル 豊見城店』であった。屋号を変えて『トリプル-E』となっても正栄プロジェクト・『イーグル』の系列にとどまっているようで、これまでに見た『サンシャイン』から『サンシャインNEXT』への屋号変更と同様に、『トリプル-E』のオープンも屋号変更によるリニューアルであったと見なしてもいいだろう。


正栄プロジェクトは、本社を札幌市中央区に置き、北海道に24店舗、関東に5店舗、大阪と福岡に1店舗ずつを展開している。沖縄では旧『サウスイーグル』が『トリプル-E』へと屋号変更し、同店に隣接しツイン店舗を形成していた『ノースイーグル 豊見城店』が休業中である。さらに同社は秋田県内で『ニューヨークニューヨーク』の屋号で5店舗を展開するスーパートゥデイを2016年10月に子会社化した。東京都台東区浅草の『イーグルR-1浅草店』と福岡県太宰府市大佐野の『イーグルR-1太宰府店』は2015年12月、大阪市淀川区十三東の『イーグルR-1十三駅東口店』は2016年4月のオープンであり、沖縄の『イーグル』2店舗は2016年6月のオープンであった。正栄プロジェクトによる最近の新店の展開は、本拠地である北海道の外で行われていることがわかる。


沖縄の『イーグル』の営業期間は2年に届かなかった。『サウスイーグル』、『ノースイーグル』ともに設置台数は沖縄県内最多の560台である。ツイン店舗としての営業は県内で唯一の営業形態となっており、ツイン店舗合計の設置台数は1120台であった。駐車場を共有し、ほぼ同一敷地内にある『イーグル』が、唯一設置台数1000台規模のホールであったのだ。オープン当初、『ノースイーグル』は通常貸玉専門店、『サウスイーグル』は低貸玉専門店としてオープンしたものの、時間が経つにつれて両店舗において通常貸玉と低貸玉が混在するようになり、それぞれの店舗コンセプトは不明確になっていった。今回のリニューアルに際し外装と内装の変更は最小限のみとなっていて、「看板を付け替えただけ」と表現してもいいレベルの改装にとどまる。店休中の『ノースイーグル』のシャッターは下りていて、建物の取り壊しなどは、これまでのところ行われていない。『トリプル-E』1店舗となってからは、20円30パイ機、20円25パイ機、5円25パイ機、2円30パイ機、2円25パイ機、4円パチンコ、1円パチンコを揃えており、同店に尖ったコンセプトは見受けられない。


2年前、2016年の『イーグル』進出は、久しぶりの県外企業による、1120台を擁したツイン店舗での沖縄進出ということで、大いに注目を集め話題となった。だがリニューアル後の『トリプル-E』に、例えば那覇の市街地から国道58号線の渋滞を抜けて豊崎までわざわざ出かけるほどの吸引要素を見出すことはできない。それでも、十分の広さを持つ立体駐車場を備えた1120台規模のツイン店舗の建物は残っている。正栄プロジェクトとして沖縄での再起を図るのか、あるいは店舗建物の売却先をホール企業の中から探している最中なのか、縮小した規模で現状維持のまま旧基準機の認定期間が切れるまで惰性の営業を続けるのか。『イーグル』/『トリプル-E』の未来は、沖縄のパチンコ市場の未来とそのまま直結しシンクロしているように思われる。

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