沖縄の町並み-那覇市

セブン‐イレブンによる沖縄への市場参入

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セブン沖縄進出

更新日:2017年6月14日

セブン‐イレブン・ジャパンは6月9日、沖縄県でコンビニを展開する計画を正式に発表した。セブン‐イレブンにとって沖縄県は、全国で唯一残った未進出県、いわゆる「空白県」となっていた。2017年度中に100%を出資する現地子会社を設立。2018年度に県内に工場や配送センターを整備し、2019年度の1号店開業を予定する。1号店の開業から5年で、県内の店舗数を250店舗にまで増やす計画だ。

沖縄県内のコンビニ店舗数は5月末現在で、沖縄ファミリーマート319店舗、ローソン沖縄212店舗。ここにセブン‐イレブン250店舗が加われば、県内のコンビニ店舗数は現在のおよそ1.5倍に急増する。

ファミリーマートは県内流通古参のリウボウと、またローソンは県内流通最大手のサンエーと提携しているが、セブン‐イレブンが進出にあたって現地企業と提携するという計画はこれまでのところ明らかにされていない。

沖縄県は、国際物流拠点産業の振興を図るため、所得の控除や投資税額の控除を受けることのできる経済特区に指定されている。セブン‐イレブンは進出にあたってこの制度の活用を視野に入れており、プライベートブランド「セブンプレミアム」のアジア地域へのグローバル展開を予定する。また、アジア各国でのライセンシー展開におけるサポートのハブ(輸送拠点)として沖縄を活用する計画だ。

戦後の沖縄における小売業の歴史を振り返ると、店舗形態の中心は、村落ごとにあった小規模な日用雑貨店「まちぐゎー/まちやーぐゎー」から、復興期におけるインフラ整理と都市化の進展、そして生活への自動車(マイカー)の浸透により、那覇や市町村の役場所在地などにつくられたスーパーへと移行した。まちぐゎーからスーパーへの重心の移行は、商圏の徒歩圏から自動車圏への拡大と、事業主の小規模な個人事業者から、サンエー、りうぼう、かねひで(金秀商事)、イオングループ、ユニオンといった、限られた事業主体への移行と集約を意味している。スーパー間の競争激化と商圏のさらなる拡大により、大型のショッピングセンター(SC)が台頭。SCを核とする大型複合商業施設が、東急ハンズやH&Mなど県内初進出となるテナントを随時取り込むことにより、集客力を増していった。2002年に那覇新都心として再開発されたおもろまち地区に開業したサンエーの旗艦店「サンエー那覇メインプレイス」が沖縄最大規模の商業施設となっていたのだが、2015年に北中城村に「イオンモール沖縄ライカム」が開業し、入居するテナント数や敷地面積などで「メインプレイス」を追い抜いた。

沖縄におけるコンビニ業界は、ホットスパー、ファミリーマート、ローソンの3ブランドが鼎立する時期が長くつづいた。リウボウグループの沖縄ファミリーマートは、音楽イベントを使ったブランドの浸透に成功。ホットスパーからブランド転換を行ったココストアを吸収してローソンとの差を広げ、連結決算とする沖縄ファミリーマートの2015年2月期における売上は、リウボウグループ全体の854億3700万円のうち494億4300万円、比率にして57.9%を占めるまでになっている。沖縄ファミリーマートは、2017年6月17日に豊見城で開催する沖縄県初開催のAKB48選抜総選挙を誘致して、さらなる飛躍を狙う。

コンビニが沖縄の小売業において存在感を増している理由として、慢性的な交通渋滞の激化による商圏の縮小、核家族化といった、これまで戦後一貫してつづいた流れとは真逆の方向へと、沖縄でのライフスタイルの変化が転換していることに加え、他県からの移住者の増加、沖縄でも時差を置いて着実に迫り来る社会の高齢化、そしてなにより、沖縄県民のライフスタイル全般が他県に近づきつつあることを挙げることができるだろう。

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